昨年末、東芝のこのようなニュースがありました。
東芝は昨年末、米原発事業の減損処理で数千億円の巨額損失が発生する恐れがあると発表。銀行団に経営の現状や財務状況を説明し、当面の支援継続を要請する見通しだ。
引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170106-00000081-jij-bus_all
わたしも赤字の会社にいた経験があるのですが、赤字になった瞬間に「会社のいろんな膿」が噴出します。会社にはいろんな事業があって、儲かっている事業と全く儲かってない事業があります。黒字のときは、たとえ儲かっていない事業があったとしても、他の事業がカバーしてくれるので、業績の悪さや効率の悪さは、議論されてもそのままということはよくあります。しかし、赤字になった瞬間に、一気に儲かってない事業やプロジェクトを次々と終了します。
本当は、経営者が早い段階で判断し見切りをつければいい話なのですが、なかなか思い切った決断ができません。黒字だから、もうちょっと頑張ってみよう、他が黒字だからまだカバーできるだろうと先延ばしをするのです。しかし、赤字が決まった瞬間から、急に思い切った決断ができるようになります。
わたしが経験した赤字の決断は、その年度内に在庫処分を徹底して行って、きれいな在庫状況に戻すということでした。普段ならそんな思い切った処分はせず、少しずつ延命措置を繰り返していたのですが、赤字が確定した瞬間に急に処分をやりました。
たまらないのは従業員で、赤字が決定したのをいいことに人員削減、事業縮小、配置転換と急に思い切った決断を矢継ぎ早にしてくるものですから、対応ができません。会社が大きければ大きいほど、毛細血管である従業員は心臓部にいる経営陣の考えが見えづらいです。どんな部署に居ても、常に自分は利益を生んでいるだろうか?という意識を持っていたほうがいいです。利益を生まない部署、いわゆるコストセンターと呼ばれる間接部門はいくらパフォーマンスをあげていると声をあげたところで、バッサリやられるのが関の山です。
東芝の場合は営業利益ベースで約7000億もの赤字を出しているのにも関わらず、またこうやって赤字の可能性が出てくるあたりが相当闇の深さを感じます。企業体質は簡単には変わらないことを、また教えられました。
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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