転職平均年齢の上昇と第二次ベビーブーム、そしてゆとり世代

転職平均年齢

Doda(デューダ) が半期に1回発表する 「転職年齢はなぜ上昇し続けるのか?転職成功者の年齢調査」が発表され、毎度のことですが転職平均年齢がアップしていて、とうとう32.0歳まで上昇していることが分かりました。

©Doda(デューダ)

©Doda(デューダ)

 

ここまでは転載しているメディアでも紹介されているグラフですが、もうひとつ極端なグラフが大元であるDodaにはありました。

©Doda(デューダ)

40歳以上の転職成功者が2007年下期を1とした時に、なんと5.4倍も増えているというグラフです。Dodaが以前より一貫して言っている理由は、

・金融危機後の業績回復や新規参入、大型投資をするために、スピーディーに成果を出せる人材が必要になっている
・商材投入や組織改編のサイクルが短縮化され、未経験の人材をじっくり育てるのではなく、「即戦力」を中途採用している

少し前までは第二新卒採用ブームで、35歳以上の転職は願い下げ状態だったわけで、とてもいい流れになっています。上記だけが理由なのかな?とわたしは思っていて、日本の人口の年齢分布も見てみました。

日本の人口ピラミッド

人口ピラミッドから見てとれることは、

・人口の多い第二次ベビーブーム世代(就職氷河期)が、40代に突入した
・ゆとり世代が、第二新卒(27歳以下)に突入した

ということです。この調査結果はDODAを利用した人が対象で、その年齢は20歳~55歳くらい。その年齢間の40代以上の割合は、実に47.9%もあります。Dodaに登録できる世代人口の半分は40代以上という・・・バブル世代・第二次ベビーブーム(就職氷河期)世代の人口的圧力、恐るべしです。

登録できる人数だけ考えれば、第二新卒に注力していたDODAも40代にシフトせざるを得ない?と考えたくなりますが、問題は企業側が何歳の人を欲しがっているかです。求人に年齢を記載しないようになっているので、実際何歳の人を募集しているかは分かりません。

いくら人口が多くても企業側がその世代を求めない限り、この極端なグラフは完成しません。この形が実現するのは、本当に年齢が上でも欲しいという企業側のニーズが必要です。今はそのニーズがある時代だという事が分かります。

人口ピラミッドから考えると、第二新卒世代の人数は少ないです。大企業的発想ならばその世代を確保しておかないと、企業内人口ピラミッドがいびつになるのでバランスをとる必要がありますが、それでも採用されるのは35歳以上です。

ゆとり世代へのネガティブキャンペーン(たとえば円周率が3とか、暗記しないとか)の影響も、正直疑ってしまいました。正直、学習要領がどうであろうと、個人ベースで考えれば全く仕事上は関係ないと思うんですけど・・・。

転職平均年齢が上がると、ゆとり世代も焦って転職する必要がないというのもあります。「35歳転職限界説」 が崩壊すると、「35歳過ぎても、なんとかなるか!」 という人も増えるので、じっくり転職は増えますよね。もうひとつ即戦力が求められている今ならば、入社2年目、3年目を即戦力とは言わないので即戦力と言われるようになるまで、転職は控えるというのもありますよね。

いずれにせよ転職年齢が上がっていく事で、いろんな世代へ影響が出ていることは間違いありません。今後も転職成功者の平均年齢は上昇していくはずで、年齢に関係なく転職できる時代が来ることを願ってます。

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ABOUTこの記事をかいた人

35歳転職限界説を突破して2回内定をGet、5つの会社を渡り歩いたジョブホッパー。人生トータルでは日系・外資系企業合わせて8回内定。ムダに転職活動経験が豊富で、転職エージェントを11社利用する。マネージャーとして面接官の経験もあるため、採用する側の論理も理解している。転職完全ガイド(晋遊舎)という本に、わたしの転職ノウハウが掲載される。