How Google Works(私たちの働き方とマネジメント)という本の一節を引用します。
経営者は「自分より優秀な人材を採用すべきだ」とよく言うが、ヒエラルキー型採用プロセスではそうしたことはまず起こらない。「コイツは優秀だから採用しよう」という合理的な判断は、「コイツが入社したらオレが無能に見えて昇進できなくなり、子供には負け犬と思われ、妻は愛想を尽かしてカフェのイケメン店員と駆け落ちし、オレはすべてを失うんじゃないか」という感情的な思惑の前に敗北する。要するに、人間の本能が邪魔をするのだ。
これ本当にそうです。経営者に限らず、現場のマネージャーレベルですでにこういった採用をします。そういう意味でHR部門はニュートラルに見ることができるので、大切な面接官になります。面接官は他にも、候補者と自分の比較をしたがります。
「この人、わたしより200万もすでに年収が多いわ!」
「ずいぶんと大きい会社にいたんだ、この人は」
「こんな人入ったら、あっさり抜かれてしまう!」
これも人間の本能で、面接官は知らないうちに嫉妬し、自分と比較を行っています。面接や書類選考で落される理由にオーバースペックという年収が高すぎる、役職が高すぎて不採用というケースがあるという事を以前書きましたが、この人間の本能が邪魔して不採用ということがあります。
誰もが”スゴイ人”をひとりは知っているという章の一文を、引用します。
人材を探すのは全社員の仕事であり、この認識を会社に浸透させる必要がある。採用担当には採用プロセスの管理を任せるが、採用活動には全員を動員すべきだ。
これを実現するためには紹介者の数、採用イベントへの貢献度などを昇進の参考データにするといいます。この方法は最も合理的な方法なんですが、日本でいう ”コネ・縁故” の使い方がネガティブイメージでしかないので、なかなか浸透しません。また採用は、HRの独占業務と考えがちです。
面接のスキルは最も重要
googleには「信頼できる面接官プログラム」があるそうです。本当に面接がうまく、それが好きな人ばかりの精鋭チームが面接の大部分をこなすんだとか。また面接時間は30分に設定し、長すぎる面接はしていません。
先日リクルートは最も優秀な人材をHRに配置するということを書きましたが、候補者も会社を選別する意味で面白い基準、面接時の質問がひとつできましたね。
「御社は人材採用について、どのようなスタンスで臨んでますか?」
これを質問してみて、面接官が雄弁に語る会社は入社価値のある会社かもしれません!
How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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