ある企画をプレゼンするとき、こんなことを考えます。
「部長、あまり細かい話好きじゃない人だから、A4・1枚に簡単にまとめよう!」
「社長、めちゃめちゃ細かいひとだから、A3の紙いっぱいにデータを羅列して持っていこう!」
担当としては、その企画を通したいので、目の前のお客さんである部長・社長に気に入ってもらえるよう、プレゼンをその人に合うようにカスタマイズをして、プレゼンに臨みます。
これを繰り返していくと、いつのまにか社内での評価が高くなり、昇進。自分自身が課長、部長、役員になっているということがあります。
「部長におまえのプレゼンはいいと言われてさ、気づけば自分も昇進してたよ」
直属の上司の評価が高く、自分を引き上げてくれるというケースはよくあることです。しかし、その上司が退職したり、転職したりすると、自分の評価が大きく変わり、今まではA4・1枚でよかったプレゼンが最低10枚でないと納得できない上司に変わっていたりします。
この担当者のすばらしいところは、目の前のお客さん(課長・部長)に対して、その人のウケがいいように自分を合わせにいって、結果社内評価を勝ち取っているところです。簡単なようで実は難しく、どんどん昇進していくのはこういった能力が高いからといえます。
しかし・・・
社内の評価はうなぎのぼりでも、この担当者が完全に見失っているものがひとつあります。それは、その先のお客さんの姿が見えなくなってしまっていることです。本来ならば、部長も課長も意識する必要はなく、その先のお客さんを見てプレゼンをしなくてはいけません。
ところが意識しないと実際は面倒なことも多く、A4・1枚が好きな部長にたいして、データぎっしりのA3を持っていったら怒られます。怒られたくないし、プレゼンが長くなるのも嫌だから部長に順応する・・・よくあることです。
忘れてはいけないのは、自分の能力の高さを過信してはいけません。その部長に対してはいいのですが、転職してA社に行ったら、「なにこれ?」と言われてしまいます。転職経験が多くなると、こういったことによく遭遇します。遭遇するたびに思うのは、
「その能力は社内でのみ通用するものか、他社でも通用するものか」
を常に考えておかないとダメということです。結構多いと思います、社内向け能力が高い人たち。そしてそれに過信してしまっている人たち。すっかり習慣化してしまって、市場とかい離していることに気づかない人たち。
たまにリセットしてあげないと、その会社専用マネージャーになっていることってよくありますよ。
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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