面接官だったとき、こんなことがありました。
「御社の製品がとても好きで、わたしは全種類持っています」
「御社の製品の良さは××で、今後このような方向で行くといいとわたしは考えます」
どの面接官も心惹かれるこの言葉。また、企業研究はしなさいとどの面接本やノウハウにも書いてあるので、これは模範解答と言えます。しかしわたしはこの方を採用しませんでした。なぜか?
好きすぎるというワナ
これは担当部署にもよると思うのですが、例えば商品開発担当を募集している場合は、この言葉は面接官の胸に突き刺さる言葉になると思います。ところがわたしが採用しようとしていたのは、商品よりではなく、数値管理をメインとする部署でした。
好きすぎるというアピールポイントがわたしには、バランスを欠くものと見えたのです。商品はひとつだけではない、売れる商品売れない商品いろいろあって、売れない商品をどう処分するか、この候補者の方が好きでない商品もいっぱいあるわけです。
候補者がアピールした商品は、確かに企業研究していないと出てこない商品だったかもしれません。しかしその商品がとても重要かというとそうでもない、one of them でしかなかったのです。
もちろんこれ以外のポイントもあって不合格にしたのですが、このケースのように一般的に効果的と思われるアプローチでも全く違う捉えられ方をされてしまうということもあります。
ほとんどのケースで、この候補者は採用されるポイントを持っていると思います。しかし、こういうケースもあるという実例です。ではどうしたらいいかというと、これどうしようもないですよね?
面接終了後、自分ではものすごく手応えがあったとしても、見事に不合格ということはよくあります。一方でまるで手応えがなかった面接が、なぜか通ってしまうこともよくあります。
結局は・・・
相手の心を読むことはできないので、いろんな判断材料を面接官に与えることがポイントになると考えます。この方は終始この商品知っているアピールに時間を費やしてしまったので、他はどうなの?としか思えませんでした。いろんな引き出し(可能性)を提示してあげることで、面接官の心を動かすことができます。好きすぎるとワナにはまってしまうという、レアケースのご紹介でした。
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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