横浜DeNAベイスターズが、大きく変化していることをご存知でしょうか?
2011年は、売上50億円に対して25億円の赤字を出していました。それが、2016年には100億円と倍増、そして黒字転換しそうという劇的な業績回復を遂げているのです。特に面白いと思ったのが、横浜スタジアムで販売を始めたオリジナル醸造ビールのベイスターズ・ラガーとベイスターズ・エール。
黒字転換の要因のひとつだそうで、ビールが売れに売れているんだとか。確かに他の球場に行っても、既存のキリンやアサヒ、サントリーといった大手ビールメーカーのビールしか飲めません。ハマスタに行ったら、やはりオリジナルビールを飲みたくなります。それ以外にも面白い仕掛けをたくさん行っており、テレビをよく見ると球場はお客さんでいっぱいです。もはや、単なる企業の広告塔ではなく、横浜DeNAベイスターズ自体が収益をあげています。
「空気のつくり方」という本を書いた社長の池田純さんがこれらを仕掛けたのですが、その本の中にえらく共感した部分がありましたので、そこを抜粋します。
ベイスターズの中途採用の面接では、できるだけ既成概念にとらわれないニュートラルな人材を採用しています。具体的にいうと、ベイスターズやプロ野球に対する思い入れの強い応募者はお断りしています。
引用元:空気のつくり方(幻冬舎)
実はわたしも全く同じ採用を行っていました。
一般的にその会社のファンで、その会社のことを熟知していることは面接においてプラスになると考えられます。しかし、その度合いがtoo muchだと、ダメなのです。わたしがいた部署は、発注数量を決定する部署で、会社の売上や利益に直接影響のある仕事でした。ベイスターズなら、ハマの番長こと三浦大輔投手の大ファンだという人が入社してきて、レプリカユニホームを「思い入れ」で発注されては困るのです。
それ以外の選手のことも熟知していて、ハマスタの空気感まで知っているとします。発注数量を決定する段階になって、データそのものよりもそちらの雰囲気に流されてしまうのです。
面接で調子に乗って、ファンアピールをする人がいました。商品も熟知していてすごいなぁと思ったのですが、データとしてはその商品はあまり売れているとは言えませんでした。お客さんとして体感している景色と、会社で仕事している景色がアンマッチだったのです。
企業への思い入れが強かったり、ファンであることはポジティブに捉えられがちですが、時としてマイナスになることもあります。ファンでも「冷静さ」をもって面接に臨んだほうが、プラスに働くかもしれません。
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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