リクルートワークス研究所が、約1万人の働き手に聞いた「ワーキングパーソン調査」。この中に定年に関する調査結果が、まとめられていました。
30代後半だとまだ定年なんて・・・と思いがちですが、40代、50代にはかなり身近な話です。定年は実際のところ何歳で迎えているのか、定年前になぜ辞めるのか?などの調査結果に、時代背景も加えて解説します。
目次
65歳定年制とは?
2013年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法により、雇用主には、2025年度までに希望する従業員全員の雇用を65歳まで確保するよう「定年退職制度の廃止」「定年年齢の引き上げ」「再雇用制度」のいずれかを実施することが義務づけられます。従来の60歳定年制から実質的な“65歳定年制”へ移行することで、厚生年金の受給開始年齢が65歳まで段階的に引き上げられるのに対応、年金受給まで無収入になる人が増えるのを防ぐねらいがあります。(引用URL:http://jinjibu.jp/keyword/detl/534/)
2015年現在、65歳定年の引き上げは義務ではなく、未だ過渡期です。アンケート結果から、定年の平均年齢は60.2歳だそうです。2年前、あれほどニュースになった割には、定年年齢の引き上げはデータ上進んでないと言えます。
大企業では大和ハウス工業が65歳定年制を導入していますが、中小企業まで波及していません。さらに年齢が上がらないのには、定年前に辞めてしまう人もいるというのもあります。
定年前に辞める理由のトップは?
「今の会社では定年まで勤められる状況ではないから」 というのが、26.6%でトップです。次いで、「別の企業に転職したいから」という方が25.8%で、半分以上を占めます。これは65歳定年制うんぬんではなく、企業の仕事寿命が縮んでいるからにすぎません。(仕事寿命=一線級、現役でいられる期間)
この結果からも50代で定年を迎える前に、キャリアチェンジや転職をする機会はかなりの確率でやってくることになります。しかし、「定年前にしたこと」 というアンケートに、自分のキャリアの新知識を身につけたり、家族と定年後の仕事の話をしたり、プランを作っている人がいる一方で、なにもしてないまま定年を迎えた人が45.5%もいるという事実です。
今の勤務先で定年を迎えたい、法律も整備されている、でも会社はどんどん若返っていて、ギリギリまで粘って働ける環境にもないという実状がアンケート結果からは見てとれます。
「あなたは生活のために何歳まで働かざるを得ないと思いますか」という質問
40歳・50代のみの回答なんですが、35.5%の方が61歳~65歳までと回答しています。
働かざるを得ないという質問の仕方からも、経済的な面を心配しての聞き方かなと思います。実際は体力の低下、脳の活性化などのためであったり、社会といつまでも関わっていたいという欲求で働き続ける方もいらっしゃいます。働かざるを得ないではなく、働きたい!と思っているかたも多いということです。
現状では定年までなんとなく逃げ切ることができている人がまだ多いということですが、この逃げ切り型を今後10年で実行できるかというとさらに厳しくなると予想しています。30代・40代からみた定年は、30年近く先の話ではなく10年、20年後にキャリアチェンジがあると考えておくべきです。
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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