新国立競技場のA案・B案どっちにする?という話で、A案に決定したとの報道がありました。
大成建設の山内隆司会長は「木を多用した設計実績を持つ隈さんとの相乗効果を狙った。極めて重要な国家プロジェクトに選定されて光栄だ」。同社は解体された旧国立競技場を施工しており、ザハ案の旧計画でもスタンドの施工をすることになっていた。同様に旧計画でも設計に関わった梓設計の杉谷文彦社長は「今回再び、お手伝いできるのは格別の喜び」と話した。
引用元:http://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20151223/k00/00m/050/089000c
今回の新国立競技場の決定は、1度失敗していることもあって国民の目が集中しています。
「絶対に失敗できない、国民みんなが納得する案を採用するべき」
選考委員の皆さんにはこういう思いがあったはずで、採点結果まで公表して、透明なプロセスであったことやみんなが納得いく決定をしたというアピールをしました。
ニュースではあのデザインが大々的に報道され、前回問題となったコストや工期が短縮できるという話に注目が集まりました。でも、多くの人がどこに安心したかというと、引用赤文字の部分「旧国立競技場を施工、ザハ案でも施工することになっていた」ここだと思います。
毎日の会議でも同じことが起きている
「前の国立競技場を施工しているんだったら、安心だ」
「あのザハ案のときも施工する業者として選ばれていたんでしょ、なら問題ないはず」
選考委員も国民もこう思ったはずです。これはビジネスにおいてもよく見られる光景で、
「去年、実績があるんだろ。ならそれでいいじゃないか!」
「似た商品が売れているだろ、だったらこっちだな」
こんなシーンを何度も何度も見て、経験してきました。いわゆる「前例主義」というもので、前がこうだったから ”今回もリスクなく” うまくいくだろうという考え方です。
決定権のある上司だって、部下やさらに上の役員の目が気になります。今回の新国立の選考委員の気持ちと、全く同じです。
「社員みんなが納得する案を採用されるべき」
「ビジネスとしてリスクは取れないし・・・自分の責任問題になるのもイヤだ」
何か新しいことをしようとするとき、必ずこの「前例主義」がどこからかやってきて、決定プロセスに大きな影響を与えます。これでは新しいビジネスは展開できないし、常に似たようなビジネスばかりが展開されていきます。
前年度の売上を超えないといけない、利益を確保しないといけない、会社にはこういう縛りがあります。すべてを捨てて新ビジネスをチョイスすることはできないかもしれません。それでも「前例主義」をある程度捨てて、全体の2割でも新しいことをやらないとイノベーションは起きないよな・・新国立の決定プロセスを見ながら、会社の仕組みを思い出してしまいました。
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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