今から19年後の2035年、日本はどのような働き方になっているのか?
厚生労働省の報告書「働き方の未来2035」、これを読んでみました。現在、35歳の方は54歳、40歳の方は59歳、そう遠い未来ではない19年後に、わたしたちの働き方や価値観は大きく変わっているということが、この報告書に記されています。わたしが特に気になったところを、2回にわたってピックアップしながら、コメントを加えたいと思います。
産業別就業者数の将来予測では、情報通信業、医療・福祉、その他サービスのみが増加と予測されており、その他の産業は軒並み減少となっている。
たったの19年間で、IT、医療・福祉、その他サービス以外の産業で働く人の数は減少するということです。単純に考えると、その産業に勤めている人の会社の売上も減っていくから、人もいらないというスパイラルです。しかし、人が少なくなる分、優秀な人は雇用され続けるとも考えられるし、残存者利益の奪い合いになるかもしれません。一概に、悲観的になる必要もないかもしれませんが、産業構造は大きく変わります。
警備・防犯、農業、物流、あるいは建築や土木、そして、日常生活における調理や掃除といった領域で変革が起こると考えられる。この場合は、認識を含めた作業全体を代替することになり、 実際の作業自体を人ではなく機械が行うことになるが、警備における異常検知後のアクションや医療画像におけるガン検出後の判断など、大域的な判断を必要とする仕事や例外的な事象に対応する仕事(監督業務)は人間が行うことになる
複雑なこと以外については、機械に任せる時代がすぐやってくるということです。スーパーのレジがセルフレジになる、マクドナルドのセルフレジが増えているなど、身近で感じる場面は増えていますが、さらに加速していくということです。それでもすべてが機械化するわけではなく、大切なジャッジは人間が必要になります。
日本にとって大変重要な変化と考えられるのが自動翻訳の技術である。自動翻訳が可能になり、言葉の障壁がなくなったとすると、経済・社会に大きな影響をもたらすと考えられる。人材の流動性が高まることになり、仕事においても、あるいは教育や医療においても、優秀な人材は国を問わず最も高く評価されるところに移動することになる。働く人々にとって、日本がどれだけ魅力的な場所か、魅力的な制度になっているかが、改めて問われることになる。
英語のスキルも、今までは特別なスキルとして重宝されていました。しかし、言葉の壁がなくなれば、翻訳という仕事もいりませんし、海外へ抵抗があった方も気軽に移動できるようになります。本当のグローバル化というのは、ひょっとすると自動翻訳が始まると意識せざるを得ないのかもしれません。まだまだダイバーシティを意識していない企業も、イヤでも意識する時代がやってきます。
物理的に同じ空間で同時刻に共同作業することが不可欠だった時代は、そこに実際にいる「時間」が働く評価指標の中心だった。だが、時間や空間にしばられない働き方への変化をスムーズに行うためには、働いた「時間」だけで報酬を決めるのではない、成果による評価が一段と重要になる。その結果、不必要な長時間労働はなくなり、かつ、是正に向けた施策が取られるようになる。
高速通信が可能になれば、タイムラグがない状態でどこへいても会議もできますし、データのやりとりもスムーズになります。9時17時に会社にいることで得られる収入という発想は、次第に消えていくのかもしれません。この話は、次のプロジェクトの話とも密接に関連しています。
2035 年の企業は、極端にいえば、ミッションや目的が明確なプロジェクトの塊となり、多くの人は、プロジェクト期間内はその企業に所属するが、プロジェクトが終了するとともに、別の企業に所属するという形で、人が事業内容の変化に合わせて、柔軟に企業の内外を移動する形になっていく。その結果、企業組織の内と外との垣根は曖昧になり、企業組織が人を抱え込む「正社員」の ようなスタイルは変化を迫られる。
現在のフリーランスの働き方が、いわゆる正社員にも波及していくということです。このほうが、いろんなお仕事ができますし、その会社特有のルールも消えていくでしょうから、わたしはこういう社会が来ることが待ち遠しいです。
最初の10ページで、面白いと思えるところだけ抜粋しましたが、続きは次回に持ち越します。
引用元:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000133449.pdf
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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