元リクナビNEXT編集長で、35歳以上に特化した転職支援サービス「キャリアリリース40」を運営している黒田真行さんの2作目の本が「40歳からの転職格差」です。
転職格差というタイトルが示すとおり、35歳以上の男女16人もの転職成功事例、失敗事例が示されています。こういった転職事例に関しても、やはり転職市場のボリュームゾーンである20代後半から30代前半の話が多い中で、この本はミドル世代に特化した事例にフォーカスしている点が珍しいです。ほとんど、こういった本はないと思われます。
わたしが特に印象に残った部分
実は、35歳限界説がなくなったと言っている場合、ほとんどは図3の上位1%のハイクラス向けのサービスをしているヘッドハンターやごく一部のスペシャリスト向け求人サイト、人材紹介の人たちということが多いのです
引用元:40歳からの転職格差(PHP研究所)
わたしは転職の記事をほぼ毎日読んでいますが、確かに記事の発信元は外資系エージェントやヘッドハンター会社の経営者であることが多く、その記事タイトルだけがYahoo!などのトップ記事になっていることがよくあります。
多くの人はそのタイトルだけで「35歳転職限界説って、崩壊したんだ」と勘違いしてしまうのですが、実際のところは、転職マーケットの99%は依然として変わらないという話は、なるほど!と思いました。
有効求人倍率も最近ではずっと高いですし、35歳転職限界説が崩壊したのなら、自分にもチャンスが!と思って安易な転職活動をすると、しっぺ返しに会うというのは本当だと思います。
もうひとつ感じたのは、この本を読むと自分のキャリアの引き出しが増えるということです。
自分は営業畑だから、経理しかやったことないから、システムエンジニアだから、マネジメントぐらいしか能がないと思っている40代以上の人はたくさんいると思います。しかし、そのスキルは意外なところでも生かすことができるし、その実例がたくさん本には書いてあります。
その凝り固まったあなたの考えや思想を溶かし、新たな一歩を踏み出すきっかけを作ってくれる本ですし、人の「しくじり」から学んで、自分は同じ過ちを繰り返さないという使い方をしてもいいと思います。
転職は時に孤独で、自分で考え、自分で決断し、自分が正しいと思い込ませる時期があります。しかし、誰かひとりでも他者の目を介して、自分のキャリアや転職市場を見たとき、まるで違う世界になることがよくあります。この本でも、そういった事例がたくさん示されており、可能性の扉を閉じている転職希望者がいかに多いかということが、よくわかります。
第5章の「40歳からの『一億総転職時代』」の歩き方」は、転職を考えてなくとも40歳を過ぎた人は読んでおくべき章だと思います。
「自分の墓標に何を刻みたいのか」
この言葉、漫然と会社員生活を送っている人は、自分自身に問いかけて答えを探してみてください!
わたしが最もお世話になった転職エージェント→ リクルートエージェント
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