帚木蓬生さんの新刊「ネガティブ・ケイパビリティ」という本を、読み始めました。
まだ途中までしか読んでいないのですが、この本は教育・医療・介護の現場で注目されている本です。しかし、ビジネスシーンにおいても、使うことができるのでは?と思い、記事にしました。
ネガティブ・ケイパビリティとは?
直訳すると「負の能力」となりますが、どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力のことを言います。不確実さ、不思議さ、懐疑の中にいることができる能力ということで、まるでビジネスの世界とは真逆の能力です。
すぐに結果を求め、答えを探すことはポジティブ・ケイパビリティといい、ビジネスの世界の多くはこちらの考え方で成り立っています。「昨対をクリアするにはどうしたらいいか、明日までに考えてこい!」とか、「ガタガタ言わないで、外回りしてこい!」的な考えが普通です。
自己啓発であったり、ハウツー本ですぐ答えを探すのが当たり前の中で、答えを探さず、ただそこに居続ける能力という発想はまるでありませんでした。どんなに自分を高めていたとしても、不測の事態に人は弱いもの。そんなとき築き上げてきた考え方が、脆くも崩れるということもあります。
ネガティブ・ケイパビリティを身につけておけば、そういう状況下においても耐えられるということになるのですが、こういった発想はまるでありませんでした。
「急いては事を仕損じる」ということわざがありますが、慌てて何かをやると失敗するという意味です。そのことわざのようにならないよう、ネガティブ・ケイパビリティを学ぶという感じだと思います。
わたしの場合は、ポジティブ・ケイパビリティも身に着けつつ、ネガティブ・ケイパビリティも抑えておければという都合のいい解釈をして、自分に生かそうと思っています。どうにもならないことに関しては、いい意味でニュートラルで放置する、無理に抗う必要もない、それ以外でポジティブに振舞うことができるなら、そのように対応するという方法です。
著者の意図するところではないのかもしれませんが、本をどう解釈するかは読者の自由。この言葉を知っておくと、例えばどうにもならない寿命であったり、天変地異的なことが起きた時に、対応できる心の術を持つことが出来る・・・そんな本かなと、読んでいる途中ですが思いました。
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