震災以降変わったはずの「働き方」はどこへ

内閣府の 「東日本大震災後の仕事と生活の調和 (ワーク・ライフ・バランス)」 に関する2012年の調査文書の中で、

半数弱の企業が、震災以前に比べ2011 年夏には「働き方の見直し」を新たに実施、または適用拡大した。その後2012年夏も同様レベルでの実施やさらに取組を進めている企業が大半である

とあります。震災直後は節電を目的に、サマータイムを導入。自動車メーカーは平日休みにしたり、早朝の涼しい時間に始業し、午後4時に退社をして節電するという会社もありました。それに合わせてハッピーアワーが実施され、早い時間に飲み屋に行くと格安でお酒が飲めたりしました。アフター4なる言葉も登場し、ショッピングやジムで汗を流す方が増えました。

さらに、働く側の意識変化も大きく起こりました。

東日本大震災をきっかけにした働く人の意識変化について調査し、生活面に留まらず「家庭やプライベートの時間を確保できる働き方」、「時間効率」などに関しても意識が変化していたことや、勤務先の説明状況により時間の使い方やスキル向上に関する意識の変化に差が見られること等が明らかになった。

東日本大震災はいろんな人の価値観を変え、震災をきっかけに転職をした人も多いです。さて、ここで質問です。

「あなたの職場は、今もこういった空気を維持できてますか?」

少なくとも私が勤めた2社に関しては、震災の教訓は全く生かされずにいつものように残業当たり前の空気になりました。居る時間で仕事の成果を計ってしまう、悪しき習慣の復活です。伊藤忠商事のようにテストから本格的に朝型勤務制度を導入して、深夜残業を削減している会社もあります。

3.11という日は、テレビで繰り返し津波の映像が流れました。そんな時にもうひとつ思い出してほしいのは、あの時感じた働き手としての意識の変化です。家族を大切にしたい、ボランティアに時間を割きたい、だらだら仕事している意味なんてない!そう思っていたはずです。

時間と共にこういった気持ちが薄れ、またいつもの日常に戻っていませんか?なんとなく会社に行き、遅くまで仕事をして、満員電車で帰る日常に逆戻りしていませんか?あの時思った気持ちが、きっと正しいものだと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

35歳転職限界説を突破して2回内定をGet、5つの会社を渡り歩いたジョブホッパー。人生トータルでは日系・外資系企業合わせて8回内定。ムダに転職活動経験が豊富で、転職エージェントを11社利用する。マネージャーとして面接官の経験もあるため、採用する側の論理も理解している。転職完全ガイド(晋遊舎)という本に、わたしの転職ノウハウが掲載される。